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  • 執筆者の写真: IKIGAI NOW
    IKIGAI NOW
  • 2月21日
  • 読了時間: 5分

更新日:7月10日


2026年 日本主要5大金融機関・投資機関による経済見通しと市場展望


掲載日:2026年2月21日

年初になると、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、UBS、JPモルガン、ブラックロックをはじめとする世界有数の金融機関は、それぞれ詳細な年次見通しレポートを発表し、新たな一年の経済シナリオを描きます。

そこには第一線で活躍するエコノミストたちの知見が凝縮されています。

しかし2025年は、その「シナリオ」が異例とも言える形で何度も書き換えられた一年でもありました。


2025年を通じた各機関の見通しの変遷を振り返ることは、2026年以降の資産配分を考える投資家にとって、一つの予測を信じること以上に大きな意味があります。

重要なのは、「誰の予測が最も正しかったか」ではありません。

不確実性の高い時代において、どのように資産を配分すべきか。

そこにこそ、本当の学びがあります。



年初は楽観ムードが支配

2024年末に公表された各社の2025年見通しは、おおむね穏やかな楽観論で一致していました。

UBSは2025年を「Roaring Twenties(狂騒の20年代)」の継続と位置づけ、金融緩和環境とAI投資ブームを背景に、S&P500指数は6,600ポイントまで上昇すると予測しました。

金価格についても、1オンス当たり2,850〜2,900ドル程度まで緩やかに上昇すると見込んでいました。

モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスも、世界経済は2.7〜3.0%程度の成長を維持すると予測。

FRBは利下げ局面を継続し、日本銀行については段階的な利上げを進めながら金融政策の正常化へ向かうとの見方が市場のコンセンサスでした。


当時の市場では、

「インフレは落ち着き、金利は低下し、リスク資産は引き続き上昇する」

というシナリオが広く共有されていました。


4月、関税ショックがシナリオを書き換えた


しかし、その楽観的な見通しは2025年4月、大きく揺らぐことになります。

米国政府による大規模な関税政策の発表が、市場の前提を一変させたのです。

JPモルガンは主要投資銀行として初めて、米国経済が景気後退へ陥る可能性を公表しました。

第3四半期の実質GDPは1%縮小し、コアインフレ率は4.4%近くまで上昇する可能性があるとして、「スタグフレーション」のリスクを警告しました。


ブラックロックも同様に、

関税が当初発表された水準で維持された場合、米国はスタグフレーション、

世界経済は景気後退へ向かう可能性があると指摘しました。


実効関税率は20〜25%に達し、過去約100年間でも例を見ない水準になるとの試算も示されています。

モルガン・スタンレーは米国の財政赤字と利払い負担の増大へ焦点を当て、市場のボラティリティはパンデミック以来の高水準に達したと分析しました。


この期間、S&P500指数は高値から一時約20%下落し、

世界の金融市場はリスク資産を中心に急激な調整局面を迎えました。



後半にかけて修正された見通し


興味深いのは、

各金融機関の予測は固定されたものではなく、市場環境に応じて柔軟に修正されていった点です。米中間、さらに米国と主要貿易相手国との間で部分的な合意が進み、

当初予定されていた高水準の関税(例:25%)は、自動車関税15%程度まで引き下げられました。


これを受けて、市場の景気後退懸念は徐々に後退します。

JPモルガンは世界景気後退確率を60%から40%へ引き下げ、

最終的には景気後退予測そのものを撤回しました。


FRBも9月に利下げを再開し、年間を通じて緩やかな金融緩和を維持しました。


モルガン・スタンレーは年央レポートで世界経済成長率を2.9%へ修正するとともに、

「仮に関税が全面撤廃されたとしても、世界経済が当初想定された成長軌道へ完全に戻ることは難しい」と指摘しています。


今回のショックが長期的な影響を残すことを示唆する見解でした。


一方で、

米ドルは1973年以来最も弱い上半期となり、欧州株、新興国株、日本株などの非ドル資産が米国株を上回るパフォーマンスを記録しました。


分散投資の重要性が改めて証明された一年でもありました。




金(ゴールド)が示した「分散」の価値

2025年を象徴する資産を一つ挙げるなら、

それは間違いなく**金(ゴールド)**でしょう。

UBSは年初、金価格を2,900ドル程度と予測していました。

しかし実際には、金価格は市場予想を大きく上回り、

一時1オンス4,336ドルという史上最高値を記録しました。

主要金融機関の年初予想を大幅に上回る上昇となったのです。

これは、

地政学リスク、

財政赤字への懸念、

インフレの不確実性が高まる局面では、

金が改めて代表的な安全資産として機能することを示した象徴的な出来事でした。

市場シナリオが何度も書き換えられるような一年だからこそ、



金の価値が最も発揮されたとも言えるでしょう。



日本のプライベートバンク顧客への示唆


2025年を通じた市場予測の修正過程を振り返ると、

退職後、あるいは退職を目前に控えた資産保有層にとって最も重要な教訓は、

「どの予測を信じるか」ではない

ということです。

どれほど優れた予測であっても、

数か月後には現実によって覆される可能性があります。

だからこそ、

資産運用で本当に重要なのは、

正確な予測ではなく、変化に耐えられる資産配分(レジリエンス)です。

十分な分散投資を維持し、

金などの安全資産を適切に組み入れ、


特定の市場や単一のシナリオへ過度に依存しないこと。

それこそが、

何度もシナリオが書き換えられる時代において、

安定した資産を守るための基本原則と言えるでしょう。

これは本シリーズで繰り返し述べてきた、

「守り」と「行動」のバランスを重視する資産運用哲学

そのものでもあります。



免責事項

本稿は、2025年に主要投資機関が公表した各種市場見通しレポートをもとに編集・整理したものであり、情報提供のみを目的としています。特定の金融商品への投資を推奨するもので

はなく、将来の運用成果を保証するものでもありません。各機関の予測と実際の市場動向には大きな乖離が生じる場合があります。投資判断にあたっては、ご自身の資産状況やリスク許容度を十分にご確認のうえ、必要に応じて金融・税務等の専門家へご相談ください。




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